私は、20年以上の臨床経験の中で、おそらく発達障害者(発達障害児も含む)とのかかわりがいちばん長いのではないかと思います。
発達障害の特徴でいちばんよく挙げられるのはコミュニケーションの問題ですね。
✅他人の感情や表情を読み取るのが難しい
✅言葉を字義通りにとらえてしまう(たとえ、比喩がわからない)
✅対人関係や社会的な状況を理解することが難しい
もちろん、これらが「できない」人ばかりではありません。
むしろ、「深読みし過ぎて、かえって違う解釈になってしまう」という人もいます。
発達障害者とのかかわりの中で、私は
「どうしたらコミュニケーションって円滑にできるようになるのかな?」
「何が引っかかってコミュニケーションを妨げているのかな?」
って考えるようになりました。
(とはいえ私自身も、友人からたまに「それはないだろ」みたいなコミュニケーションをすることがあります)
たとえば、
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友人「お腹すいたね。どうする?」
私「お腹すいたねぇ。食べたいねぇ」
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気を抜いていると、意味不明な話になっていることがあります。
友人としては、「どういうものを食べたい?どこで食べたい?」の答えを意図しているワケですが、私は身も蓋もない回答をしているわけです。
発達障害者のコミュニケーションって、こういうことが割と頻繁に起こっているような気がしています。
こんな感じの小さいズレから、完全にこれは誤解したな……という大きいズレまであります。
私と発達障害のAさんとのある日の会話です。
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私「すみません。今度のイベントの宣伝をしたいので、SNSにアップしてください」
Aさん「えっと、何をアップすればいいですか?」
私「イベントの詳細はこのホームページに書いてあるから、ここから必要な情報を選んで書いておいてね」
Aさん(一生懸命ホームページの隅から隅まで眺めていて、なかなか作業が始まらない)
私「ん?どうしたんですか?」
Aさん「どれが必要な情報で、どれがいらない情報か、取捨選択できません」
私「(ああ、なるほど……)えっと、まずイベントの名前。あと、イベントの日時ね。それから場所。いつからいつまでかの期間。どんなものを展示するか。ここの情報は欲しいね」
Aさん「わかりました!」
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Aさんに聞いてみると、「大事な情報」が浮かび上がってこず、すべての文章が「のっぺりと」しているように見えるのだそうです。
発達障害者と話していて、私は「コミュニケーションも障害者に合わせればユニバーサルデザインになるんじゃない?」と思っています。
コミュニケーションの苦手な人に合わせた話し方をしていれば、自然と「伝わる話し方」になっていくのではないかと。
私は相談者によく「こんなふうに伝えてみたらいいんじゃないか?」とご提案することがあります。
そのアイディアは、たくさんの発達障害者とのかかわりから「こう言えば誤解なく伝わる」というところからヒントを得ていることが多いのです。
具体的に「こんな場面ではどう言えば伝わるのでしょうか?」というご質問がございましたら、メールでもメッセージでも送ってくださいね。
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