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執筆者の写真eye(あい)

発達障害者とのかかわりからコミュニケーションを学ぶ

私は、20年以上の臨床経験の中で、おそらく発達障害者(発達障害児も含む)とのかかわりがいちばん長いのではないかと思います。


発達障害の特徴でいちばんよく挙げられるのはコミュニケーションの問題ですね。


✅他人の感情や表情を読み取るのが難しい


✅言葉を字義通りにとらえてしまう(たとえ、比喩がわからない)


✅対人関係や社会的な状況を理解することが難しい


もちろん、これらが「できない」人ばかりではありません。


むしろ、「深読みし過ぎて、かえって違う解釈になってしまう」という人もいます。



発達障害者とのかかわりの中で、私は


「どうしたらコミュニケーションって円滑にできるようになるのかな?」


「何が引っかかってコミュニケーションを妨げているのかな?」


って考えるようになりました。



(とはいえ私自身も、友人からたまに「それはないだろ」みたいなコミュニケーションをすることがあります)


たとえば、


****************


友人「お腹すいたね。どうする?」


私「お腹すいたねぇ。食べたいねぇ





****************


気を抜いていると、意味不明な話になっていることがあります。


友人としては、「どういうものを食べたい?どこで食べたい?」の答えを意図しているワケですが、私は身も蓋もない回答をしているわけです。




発達障害者のコミュニケーションって、こういうことが割と頻繁に起こっているような気がしています。



こんな感じの小さいズレから、完全にこれは誤解したな……という大きいズレまであります。


私と発達障害のAさんとのある日の会話です。


******************


私「すみません。今度のイベントの宣伝をしたいので、SNSにアップしてください」


Aさん「えっと、何をアップすればいいですか?」


私「イベントの詳細はこのホームページに書いてあるから、ここから必要な情報を選んで書いておいてね」


Aさん(一生懸命ホームページの隅から隅まで眺めていて、なかなか作業が始まらない)


私「ん?どうしたんですか?」


Aさん「どれが必要な情報で、どれがいらない情報か、取捨選択できません


私「(ああ、なるほど……)えっと、まずイベントの名前。あと、イベントの日時ね。それから場所。いつからいつまでかの期間。どんなものを展示するか。ここの情報は欲しいね」


Aさん「わかりました!」


********************


Aさんに聞いてみると、「大事な情報」が浮かび上がってこず、すべての文章が「のっぺりと」しているように見えるのだそうです。



発達障害者と話していて、私は「コミュニケーションも障害者に合わせればユニバーサルデザインになるんじゃない?」と思っています。


コミュニケーションの苦手な人に合わせた話し方をしていれば、自然と「伝わる話し方」になっていくのではないかと。




私は相談者によく「こんなふうに伝えてみたらいいんじゃないか?」とご提案することがあります。


そのアイディアは、たくさんの発達障害者とのかかわりから「こう言えば誤解なく伝わる」というところからヒントを得ていることが多いのです。




具体的に「こんな場面ではどう言えば伝わるのでしょうか?」というご質問がございましたら、メールでもメッセージでも送ってくださいね。








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